エコマンションの建設日記「第1章−3.息子の心臓に穴」 | |||||||||
現在地:エコウイング21トップページ >> エコマンションの建設日記 >> 第1章−3.息子の心臓に穴 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この不思議な体験から一夜明けて、お昼前ごろ、ちょうど出産から20時間後
わたしは「生まれて初めての授乳」を経験しました。 息子は、沐浴のあとで気持ちよかったらしく、寝てばかり… 「だいちゃん!だいちゃん!おっぱいよ…」 やっとおっぱいをくわえたかと思っても、もごもごしては、ぐーぐー寝てばかり。 そばにいた当時85歳の私の祖母も、なんとかおっぱいを飲むように一緒に赤ちゃんを起こそうとしてくれましたが…やっぱり寝てばかり。 「しょうがなかね!」と、幸せそうな寝顔をながめたはじめてのおっぱいタイムでした。 さて、そんな私達を待っていたのは、彼の体に関する二つの事実でした。 一つは、検査の結果黄疸の値が高いということ。 治療のため、保育器に入れて、17時間と15時間の計2回光線治療を受けました。 その間は、おっぱいもあげられず、外から「がんばって!」と声をかけるのみ。 母乳を哺乳瓶に絞っては、看護婦さんに託しました。 治療を終え、目隠しをしたままの息子に 「産まれた早々たいへんだったね」と声をかけ、長い間寝たきりだったためまだ震える手で、ぎゅっと抱きしめたのをいまだに覚えています。 でも これくらいはまだ序の口。次に待っていた事実は… さあ、ようやく退院の日です。退院の準備をしていた私は 「先生からお話しがあります」と言われ、診察室に向かいました。 「波戸内さん。赤ちゃんがお腹の中にいるとき、心音に雑音がありますといっていましたがじつは、産まれてから診察をしてみると、赤ちゃんの心音にはモレ(要するに穴があいている)があるようです。専門の先生を紹介しますから、退院後落ち着かれたら なるべく早く、受診して調べてもらってください。」 と、紹介状を渡されました。 我が子の心臓に穴があいているらしい!なんという事実! 信じられない…。夢でも見ているのでは…。 でも私が一番信頼している先生から告げられた事実。夢ではない。 出産を経験する前の私だったら、ここできっと泣き出し、ただ呆然となっていたでしょう。 しかし何故でしょう。わたしは微塵もうろたえませんでした。 「大丈夫!絶対私が治してあげる。必ず治る!絶対治る!」 そんな自信が、私の中で何の根拠もなく膨らんでいました。 本当に今思い出しても不思議です。 きっとあれが、出産時に継ぐ2度目に実感した説明などなにもつかない「母性」だったのだと思います。 出産するまでは、考え方も生き方も自分中心で、極端な話、自分のことさえ考えていればよかった。<今思うと嫌な人生ですねえ> ところが いざ出産をして、一つの「いのち」をこの世に送り出して「○○ちゃんの母」になった以上、そうはいかなくなりました。 いや応無しに一人の人の母としていろんな事を経験していかなくてはならなくなります。 そして、今思うと、ただわがままで、30過ぎても なかなか人に対して甘えてばかりで、「自己責任」という言葉からは、なるべく遠ざかって生きてきた その私でさえ、子供を育てるという経験を通して、こちらこそ…いろいろなことを気づかせてもらったり、発見させられたり教えられたり…と一人の母として育ててもらってきたんだなあと思うのです。 そして今もまさしく育とうとしている最中なんだと思うのです。 子供を産んだその瞬間から 百点満点の立派な母親なんて そんなにはいないでしょう?きっと いろいろ失敗もし、いろいろ悩んだり、そして我慢もして…少しづつ…少しづつ…そうですよね。 今日も こんなこと気づかせてくれた子どもの寝顔に 「産まれてきてくれて本当にありがとう」とささやく波戸内でした。 さて、「育児日記」ばかりでなかなか「建設」にいきませんが、 ここを話さないとどうしても前に進みません。どうぞもうしばらくお付き合いを… |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright © 2002-2004 エコマンション ECO-WING21 All Rights Reserved.