エコマンションの建設日記「第3章−3.1本の電話から」 | |||||||||
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"リーンリーン" "はい もしもし" 受話器をとった私の耳に飛び込んできたのは、とてもソフトで暖かい感じのする男性の声でした。 "私、城島先生のお嬢さんのお宅を設計しました、森 繁と申します。" "えっ!" "そちらが、設計のことで大変お困りだとお聞きしまして、私でなにかお役に立つことがあればと思いまして、お電話を差し上げました。" 八方手詰まり状態だった私には、その声はまるで天からのもののようにありがたいものでした。 "本当によろしいんでしょうか?" 私は、やや興奮気味にこれまでの経過をお話しました。何とかお伝えしたい今のこの状態を・・・でもお話しながらなんとも言えず空しさも感じていました。 なぜなら、前回お話したように、もうすでにA事務所との契約が終わっていたからです。 説明を続けることが果たしていいことなのか・・・ "先生・・・そういうことでもうA事務所との契約が済んでおります。これ以上は先生にご迷惑をおかけすることになるのでは・・・" 戸惑いながらそういう私に "大丈夫ですよ!・・・以前にもこういうことは経験をしたことがありますから" "えっ!" 何か信じられない気持ちです。あんなに悩んで、悩んで、もう打つ手はまったく無いように思われていたこの局面にきて、少なくとも、漆喰や無垢板など自然素材をふんだんに取り入れたあのお宅を設計された方が、私を何らかの形で手伝おうと言ってくださっている・・・すごい!まるで夢のようです。 そして、どちらともなく なるべくはやくTELではなく直接あってお話しすることの大切さを感じそしてその約束をしていました。 数日後 運命の対面の日です。 かねくらの旧社屋で、森先生を待つ私は、ほどよく緊張していました。 いったいどんな方だろうか・・・声の感じからとても線の細い華奢な感じの方のようだけどなあ?そう勝手に思い描いていました。 「ごめんください。」 そこに現れた森先生のなんともいえない優しい笑顔を今でもはっきりと覚えています。 それに加え、私の予想にまったく反して、まるで童謡の「もりのくまさん」にでてくるかのような・・・いえ くまさんそのものでした! その私を察するかのように「声とまったく違うでしょ!くまさんみたいで・・・!」 そうおっしゃる先生のお人柄に・・・さきほどの私の緊張もみるみるうちに解けていくのでした。 応接テーブルのソファーに浅めに腰かけた私は、改めてこれまでの経過や工程の進捗状況を説明しました。A事務所になかなか思いが伝わらないもどかしさ、歯がゆさ、なんとか自分がおもうような健康的で安全な建物を建てたいという想い・・・そこへ先生が設計監理されたあの建物との出合いがあり、大変感銘したことなど・・・ その私に先生も思わず切り出されます。 「実はもう行ってきたのですよ。」と、 熊本市の特定優良賃貸住宅制度(さくらシステム)の担当課へ、かねくら鰍ェ認可をすでにいただいた今の申請を取り下げて、改めて翌年度に申請し直せないかどうかを、尋ねに行ってきたということ。なぜなら以前に森先生はこういう事例を扱った経験があったということ。しかし残念ながら翌年度からこの制度はしばらく凍結されるのでそれはできないというのがその担当課の返答だったということ。 そういうことを丁寧にそしてちょっと残念そうに説明されました。 ―電話で以前に経験があるからとおっしゃったのは、このことだったのか・・・― ということは・・・先生にとってそれができないとするならば、もうこれ以上のご相談は無理ということなんだろうな・・・ 「どうしましょうか・・・」「そうですねえ・・・」 寝具の卸問屋を廃業後、旧社屋の約半分のシャッターは閉め切っていました。 あと半分開けたシャッターの窓ガラスには'かねくら'と'泣qトミコーポレーション'の屋号がペイントされています。ブルーとピンクのふたつの会社の屋号が、なにか空しく私の目に映ります。 その窓ガラス越しに、熊本市の路面電車が行き交います。 一二度その電車を見送ったでしょうか・・・そのしばらくの間のあと・・・ 「しかし、せっかくのご縁です。私でよければ、なんとかお手伝いをして差し上げたいと思います。」 「えっ!本当ですか?」 「はい!私でよければ。」 「もちろんです。先生。ありがとうございます!」 真っ暗闇に一筋の光が差し込んだ瞬間でした。 何かが動き始めました。 全く叶いそうになかった「エコマンション」という私の夢に、予想をはるかに超えた現実が呼応した瞬間でした。 |
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