エコマンションの建設日記「第3章−2.何を聞いていたの?」
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マンション建設日記  
━━━(第1章)━━━
1. はじまりのはじまりは出産
2. 不思議な体験
3. 息子の心臓に穴
4. -倒産・再建・そして-
5. 妹の死と廃業
6. 不動産業についての持論と設計の基本
 
7. 二人の助産婦さんと一冊の本との出会い
 
━━━(第2章)━━━
1. 私がシックハウス症候群?
2. 誰に相談するのか?
3. 誰に相談するのか?
-設計士編-
 
4. 設計士さんへの意思の伝え方と契約のポイント
 
5. 建築を知らなくてもできる平面プランの作り方
 
6. むっずかしい〜自宅プラン
7. えっ?好みが違う?
なるほど・・・
 
8. 夫婦で二人三脚
9. 資金計画です。-@
10. やってやろうじゃないの!
-資金計画ですA-
 
━━━(第3章)━━━
1. 遅かった・・・あと1日
2. 何を聞いていたの?
3. 1本の電話から
4. 1億円オーバー
5. 潔く
6. 沈黙のとき
7. 願いのとき
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第3章−2.何を聞いていたの?
-入札というものを皆さんはご存知でしょうか?-

ある建築の仕事について、どの建設会社がその仕事をするかを決めるために採られる手段のひとつです。

 一口に建設会社といっても日本にはたくさんありますから、ゼネコンと呼ばれる大手から町の工務店さんまで本当にこの業界は幅が広いと思います。その中から、自分の建てる建物を任せるお相手を選ぶわけです。もちろん真剣です。

 この分野については、主人に任せていたわけですが
 1.なるべく地元で選ぶこと
 2.ISOを認証取得していること
は、必須条件となっていました。

 うちの場合、設計事務所を介していましたから、その設計事務所と、この二つの条件その他を十分に満たし、仕事を任せられると思われる数社を選び出しました。

 そして、「今回、ここにこういった建物を建てようとしていますが、入札に参加しますか?」と、その選んだ数社に打診をするのです。

 そして、入札に参加希望した会社に対してだけ、今度は、実際に基本図面と、仕様書(どういう建築資材や材料をどの部分に使うかを示した表)を渡します。

 先方は、その図面と仕様書から「この建築は、自分の会社ならいくらで造れます」
という値段を出して、入札のときにその値段を一社づつこちらに伝えてくるわけです。

 その入札に参加した数社の申し出が出揃ったところで、こちらは、うちの予算に一番近い値をつけたところに決めるわけです。

話を戻しましょう。

 その日、旧かねくらの社屋に集まったのは、A 設計事務所の設計士Bさん・Cさん・インテリアコーディネーターのI・Cさん、そして私でした。
 前述の入札に参加する業者に渡す、図面や仕様書の最終確認のために集まったのです。

 「これが最終の図面です。」
差し出された図面は、あのやっぱりいまいち納得がいっていない図面のままです。外観図面・平面図・・・でももうこれでいくしかないんだから・・・自分にそう言い聞かせます・・・
 そして次に出された仕様書を見たとたん、私は絶句しました。

「なんですかこれは!」

 あれほど時間を費やして、安全な建物、使う人住む人の体にいい建物を建てたいと話し続けてきたのに・・・いったいこれは・・・
私の目の前に広げられた仕様書とは・・・当時、賃貸マンションの仕様書としては当たり前となっていた、塩化ビニールや、合板等という文字がずらりと並んでいます。

私の心の中は《怒り》という文字一色でした。

 でも、先方は何を私が怒っているのかさえわからない状態でした。「もう話にならない。」プロを前にして失礼だとかそういったことを思っている場合ではなくなりました。
 そこで私は、いつも持ち歩いている、あの愛読書「健康な住まいを手に入れる本」を急きょ持ち出し、必要と思われるページをすべてコピーし目の前の3人に渡しました。

「私が云っているのはこういうことです。」

 そこには塩ビや合板はもちろん、畳や、床下のシロアリ駆除剤をはじめとする様々な薬剤の弊害のことなど、詳しく書いてあります。そして、自然素材を使うことのメリット・デメリットなど、とにかくどうやったら病気になる建物を建てずにすむか、つまり体に良い建物を建てられるか・・・ということのすべてを・・・

 「知りませんでした。奥さんの方が我々よりずっと勉強されていて詳しい。」
Bさんは、正直におっしゃいました。
 「ですからこんな仕様書、絶対に困ります。」
 「わかりました。」
それからは、そのコピーを頼りにまるで勉強会のようです。
私の指示に従ってI・Cさんが、次々と仕様書を朱書きで訂正していかれました。

そして終わった時には、その仕様書は、全く原型をとどめていませんでした。

「入札に、間に合いますか?」
「間に合わせます。」

 そして、「こういう資料を持っています。ぜひ勉強されてください。熊本にも、こういう体に良い建築材料を扱っていらっしゃるところもあるんです。」
 私はそう云うと、先日おじゃました、城島先生のお嬢さんから頂いたパンフレットなどをI・Cさんに手渡しました。そのパンフには、熊本市内にある『エコイング』という社名が記してあるのでした。

『エコイング』の『藤田さん』と、わたしは、数ヵ月後にお会いすることになります。そしてその藤田さんには、私が建てようとしているエコに徹底的にこだわったマンション「ECO-WING21」に、大きく貢献して頂くようになるのです。しかし、このときはそのようなことなど、まったく予想もしなかった頃でした。

 「わかりました。必ずもっと勉強して、奥様の意向が反映できるようにします。」
三人はそういうと、大急ぎでかねくらをあとにされました。

 「疲れた。今までの時間(約半年)はいったいなんだったの?」
「でももうわかった。この物件にかかわっている人の中で、この分野について、一番関心
を持って勉強しているのは、残念ながらこの私でしかないんだ。」
「・・・ということは、私が、建築は素人のこの私が、もっともっと勉強して、このプランを
リードしていかなきゃならないということなんだ・・・。」
「大変なことになった!」


リーンリーン・・・
 呆然とする私に、1本の電話が入りました。それは当時の私にとって、救い主とも云うべき人からのものだったのです。
「もしもし・・・」
 

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