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9月といえば、防災と救急の月です。
ECO-WING21には、3歳以下の乳幼児が10名以上入居中です。そこで、熊本市西消防署の救急隊の方々をお迎えして、乳幼児の救急法についてお話を伺いました。 |
まず、こどもの平常の状態を把握する。あなたのお子さんの平常体温は何度ですか? また、脈拍はどれくらいですか?
平常体温については全員が答えられたのですが、脈拍については残念なことに誰も測ったことがありませんでした。
そこで、こども(赤ちゃん)の脈の測り方を勉強。手首はわかり難いので、脇の下で測ります。いざという時はあわてますので、普段から脈の場所を把握しておくといいですね。 |
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つぎに、実際に目の前に傷病者がいる時は次の手順で心拍蘇生を行います。 |
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刺激を与えて反応を見る。 |
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助けを呼んでも誰もいない場合(救助者が1人)には、まずB以下の心拍蘇生を1分間行ってから、救急車を呼ぶ。 |
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頭部後屈 |
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頬を口や鼻に寄せて、十分な呼吸をしているか、10秒以内に調べる。この時、目で胸の動きも見る。
呼吸が感じられないか不十分な場合は、直ちに「口対口鼻人工呼吸」を開始する。
十分な呼吸が感じられるならば、回復体位にする。 |
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呼吸がなければ、まず2回息を吹き込む。 |
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注意) 助けを呼んでもだれもいない場合(救助者が1人の場合)には、まずB以下の心拍蘇生を1分間行ってから、救急車を呼ぶ。もし、救助者が2人以上いるときには、1人がB以下の心拍蘇生を開始し、他の人が直ちに救急車を呼ぶ。 |
対 象 |
方 法 |
吹き込む時間と回数 |
吹き込む量 |
小児
(1歳以上〜8歳未満) |
口対口人工呼吸 |
吹き込みに1〜1.5秒
かけて2回 |
胸が軽く
膨らむ程度 |
乳児
(1歳未満) |
口対口鼻人工呼吸
(または口対鼻人工呼吸) |
新生児
(生後28日未満) |
吹き込みに1秒かけて
2回 |
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A |
小児に対する口対口人工呼吸 |
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B |
乳児・新生児に対する口対口鼻人工呼吸(右図参照)
○ 口と鼻を同時に自分の口に含む。もし同時に覆えないときは、
口を閉じた状態で口対鼻人工呼吸でもよい。 |
口対口鼻人工呼吸
or 鼻だけ |
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十分な人工呼吸を2回行って、呼吸の有無・咳の有無・体の動きの有無を10秒以内に調べる。
これらの動きがなければ、直ちに心臓マッサージを開始する。
循環のサインがあれば、気道を確保して人工呼吸を続ける。 |
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-小児の場合- |
方の手の付け根で、胸骨の下半分の部位を、胸の厚さのおおよそ1/3くぼむまで圧迫する。床面が固く平らなところで行う。もしベットやソファーに倒れているときは、循環のサインがないことを確かめた後に床面に移す。 |
-乳児・新生児の場合- |
片手の2本の指(中指・薬指)で、左右の乳首を結ぶ線より指1本分下の部位を、胸の厚さのおおよそ1/3くぼむまで圧迫する。(お人形で試しましたが、結構ちからが必要です。) |
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対 象 |
圧迫の部位 |
圧迫の方法 |
圧迫の程度 |
圧迫の速さ |
小児
(1歳以上〜8歳未満) |
胸骨の下半分 |
片手の付け根で |
胸の厚さのおおよそ1/3くぼむまで |
約100回/分 |
乳児
(1歳未満) |
乳首を結ぶ線より指(横)1本分だけ
下側 |
中指・薬指の
2本で |
少なくとも
100回/分 |
新生児
(生後28日未満) |
約120回/分 |
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対 象 |
心臓マッサージと
人工呼吸の組み合わせ |
1回の組み合わせ |
心臓マッサージ |
人工呼吸 |
小児
(1歳以上〜8歳未満) |
5 : 1 |
約100回/分の速さで
5回 |
吹き込みに1〜1.5秒
かけて1回 |
乳児
(1歳未満) |
少なくとも100回/分の
速さで5回 |
新生児
(生後28日未満) |
3 : 1 |
約120回/分の速さで
3回 |
吹き込みに1秒かけて
1回 |
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-小児の場合- |
気道を確保した状態で、胸骨圧迫心臓マッサージ5回と、口対口鼻(又は口対鼻)人工呼吸1回のサイクル(5:1)を続ける。2〜3分ごとに、循環のサインを調べる。 |
-乳児・新生児の場合- |
気道を確保した状態で、乳児の場合は胸骨圧迫心臓マッサージ5回と、口対口鼻(又は口対鼻)人工呼吸1回のサイクル(5:1)を続ける。新生児の場合は、3:1のサイクルを続ける。2〜3分ごとに、循環のサインを調べる。 |
最後に乳幼児に多い事故として次のような場合の手当ての仕方を伺いました。 |
◎ 誤飲 |
口を開けて見て詰まった物が見えているときは取り除く。この時、詰まらせた物がさらに奥へ入らないように注意する。口の中に見えないときは、逆さにして(足を持ち上げる)腰部を叩く。※背中を叩かないこと |
◎ 熱性けいれん |
けいれんをおこしている時間は4〜5分程度。けいれんが長く続いたり、おさまってもぐったりしているといきは119番する。 |
◎ 鼻血 |
寝かせないで座らせておく。鼻骨20秒抑えて様子を見る。
脱脂綿は、中で膨張するので詰め込まない。 |
◎ 転倒 |
顔色が真っ青なって泣かないようであれば、すぐ病院へ見せる。 |
救急隊の的場隊長は、途中笑いも交えながらお話をされましたが、とにかく「命」についてのお話ですから参加したお母さん方は皆さん真剣な表情で的場隊長のお話に耳を傾けていらっしゃいました。
隊長さん曰く、「全体を通して言えることは、お母さんがとても動揺していらっしゃるので、まずはお母さんが慌てないこと。119番する前にこどもの様子をしばらく見ること。を心掛けて欲しい。」とのことでした。
子供といっても、小児と乳児と新生児では、対応の仕方も違います。先に伺った救急法は年齢に応じてやりましょう。救急隊員の方からは、「こどもの事故は大半が親の責任です。」という厳しい言葉もありました。普段から、こどもの様子に気を配るのはもちろんですが、親の心がけ次第で未然に防げる事故が多いということではないでしょうか。皆さんも、この機会にこどもの周りについて見直されてはいかがでしょう。 |